東京高等裁判所 昭和40年(う)1044号 判決
被告人 田丸博 他一名
〔抄 録〕
論旨は、原判決は労働組合法第一条第二項についてその解釈適用を誤つたもので、その誤りは判決に影響を及ぼすことが明らかであるというのである。
よつて検討するに、被告人等の原判示所為は原判決も指摘しているように、組合側代表と会社側土田専務とが応接室において団体交渉を行なつている間にその隣室の事務室内で発生したものであつたとしても、右団体交渉とは直接の関連なしに会社側職制と組合員らとの間でカメラの取り合いしをたというたまたま偶発的に発生した事犯であつて、到底労働組合の行為ということができないばかりでなく、そもそも原判示認定事実より明らかなように被告人等の原判示所為は暴力の行使であつて正当なものということができないから、労働組合法第一条第二項所定の「労働組合の団体交渉その他の行為」の意義に関する原判決の解釈の当否に関し判断する迄もなく、同条項の適用のないことは明らかであつて、論旨は理由がない。
(新関 吉田 伊東)